桜庭一樹 「書店はタイムマシーン 桜庭一樹読書日記」

読んですぐに「あぁ、おもしろかったー」と思うだけじゃなく、病原菌のように胸に住み着いて、時間が経ってもよろこびや悲しみがからだから離れない。すごい小説だ。すごい小説を書きたいなぁ、と思ったら悲しく、切なくなってきてしまった。




誰の人生も、一編の長い物語である。たとえ、アイルランド人の惨めさよりはずっとささやかなものであっても。書かれるべき無数の物語が、この世のあちこちで、目覚めの時を待ってるのだな……。それを書くためにも、読むためにも、みんな、長生きしないといけないなぁと思った。




"障害のある恋"に憧れるのは、愚かな平和ボケだろう。出版を巡る冒険も、また然り。そう思いながらも、寝ようと電気を消して布団にもぐりこんだら。トランクに原稿と信念だけをつめこんで、羽が生えたように暗闇をどこまでも走っていく幻影を見た。

書店はタイムマシーン―桜庭一樹読書日記

書店はタイムマシーン―桜庭一樹読書日記

前作桜庭一樹読書日記 少年になり、本を買うのだ。」と同じく、読書欲を掻き立てられまくりでした。文章のところどころに、作家だなぁ、という独特な表現があっていい。
今回もいろいろ気になったものがあったので、まとめてAmazonほしい物リストにつっこんだ。


オフシーズン (扶桑社ミステリー)

オフシーズン (扶桑社ミステリー)

隣の家の少女 (扶桑社ミステリー)

隣の家の少女 (扶桑社ミステリー)

麦撃機の飛ぶ空

麦撃機の飛ぶ空

ウォーターランド (新潮クレスト・ブックス)

ウォーターランド (新潮クレスト・ブックス)

伝奇集 (岩波文庫)

伝奇集 (岩波文庫)