ジョージ秋山 「銭ゲバ」 上

金っ! 金! 金っ! 金!
いったい金とはなにか? 金はある時にはどんな欲望も満たしてくれる。
ある時にはひとをどれいにし
またある時はひとの心を狂わし滅亡の悪をうむ!




わたしは美しいものがすきズラ。美しいひとの心がほしいズラ。
だけどひとの心が美しいとは思わんズラ。この世に真実というものがあれば… 命をかけておいもとめるズラ。
人間はみんなきたなくいやしいもんズラ。

よくそういうことがいえるねまったく!! 世間じゃあんたのことをなんといってるか、しってますかい?
銭ゲバだってよ。

フン なんていおうがわたしはへいきズラ。銭ゲバはわたしだけじゃないズラ。
どいつもこいつもきれいなことをぬかしているが みんな銭ゲバズラ!!

銭ゲバ 上 (幻冬舎文庫 し 20-4)

銭ゲバ 上 (幻冬舎文庫 し 20-4)

金、命、愛というあまりにも根源的すぎる問題を性悪説的に正面から立ち向かっている。蒲郡風太郎は、金のために人を殺し、金のために結婚し、金で人を操る。そしてその全てに深く苦しめられることになる・・・
この作品は有害指定図書にされたことがあったようだが、「臭いものに蓋をする」とはまさにこのことだろう。