曽田正人 「昴」 3巻

今まで、ダンスで友だちなんていなかったの。こんなふうに、みんなと踊って。
観てる人も、いっしょに楽しもうって応援してくれて…
楽しかった。振付けなんて、何もなくて… みんなのその場のノリでダンスが出来てって…
バレエにはこんな自由はない。ぜんぜん違う。
手が1cmずれたとか、足の甲がのびてないとか。もう、気がヘンになりそうなこと、しょっちゅうあるよ。

だから、お前、ヒップホップやるんだろ…………

でも、ほんとうにギリギリの、針の穴を通すような踊りができたとき、背すじがふるえるような感じがするの……!!
一年に一回、あるかないかだけど、そういうとき、たぶん、電流がテレパシーみたいに、あたしの身体からどばーって出てると思う。
バレエはほとんど楽しくない。でも、楽しいとか楽しくないのむこう…… 1cmとか1mmの、逃げ出したくなるような針の穴のむこうに、
何かがあるの。死んじゃうくらい気持ちいいことが…………!!

昴 (3) (ビッグコミックス)

昴 (3) (ビッグコミックス)

やはり「ガラスの仮面」を思い出す。踊っている時の圧倒的な熱量。