乙一/矢也晶久 「ZOO」

ZOO (愛蔵版コミックス)

ZOO (愛蔵版コミックス)

カザリとヨーコ
神の言葉
陽だまりの詩
ZOO

乙一の短編小説集「ZOO」のコミカライズ。そもそも乙一という作家の作品、特に「ZOO」に収録された作品は最後にどんでん返しのオチを持ってくることが多い。小説という媒体ならば読んでいる時間(騙されている時間)が多く、ネタばらしを見た瞬間の驚きが大きいのだけど、この漫画ではそれがあまりに弱い。
また、短編のチョイスもどうかと思う。原作は10編が収録されているのにコミカライズはたったの4つ。特に「SEVEN ROOMS」がないのはがっかりの一言。絵も下手だと思う。
各短編に関して言えば、「カザリとヨーコ」はもっと静かなラストだと思うし、「陽だまりの詩」も最初からこんなに女の子には感情がないだろう。「ZOO」は特にひどく、とにかく惰性で書いている感じ。
BOOK OFFをいくつか回れば100円で見つかるレベル。