植芝理一 「ディスコミュニケーション 精霊編」 3巻

私――最近思うの……
「人はどうして誰かを好きになるのか」なんて――
そんな問いは永遠に解けないんじゃないかしらって……
例えばお互い愛しあって…… 何度も何度も体を重ね合わせて――
子供のころには思いもしなかったような 恥ずかしくて―― 気持ちよくて―― 切ない経験をしても……
そしてお互い愛し合って―― 年老いてどちらかが死ぬまでいっしょにいたとしても―― その答えは分からない……
大人になって恋をして――どんな経験をしても
小さいころにとなりの席の子を好きになって不思議な気持ちを抱いたあの時と――
本当はたいして変わらないんじゃないか――と思う

ディスコミュニケーション精霊編(3) (アフタヌーンKC)

ディスコミュニケーション精霊編(3) (アフタヌーンKC)

真面目な解決編。タイトルバックで好き勝手やっているぐらいで、本編は民俗学的な解説が数多く挿入され、きれいな終わり方をする。
かつてクロード・ロスタンは、フランスの作曲家プーランクを「ガキ大将と聖職者が同居している」と評したが、それと同じように僕はこの作者の作風を「変態とお堅い学者が同居している」と表したいと思う。