木村紺 「神戸在住」 1巻

ふいに訪れる沈黙
だけど少しもいづらくない
このままじっと黙っていてもいい
こんなとき
友達っていいなあ と思う




私に言える事があるとすれば、それは、1995年1月17日と言う日が、彼等の記憶に確かなくさびを打ち込んだ、と言う事である。
神戸の人は、よくこう言う。
「それは震災の前か?後か?」

神戸在住(1) (アフタヌーンKC)

神戸在住(1) (アフタヌーンKC)

この巻の最後にある第7話「震災。」第8話「震災から。」はかなり強烈な話である。作中の「こらあかんわ 神戸もおわりや」というぽつりとでた台詞がじわじわと効いてきた。
この話は主人公・辰木桂の一人称として書かれているが、たびたびこれが辰木の一人称なのか作者の一人称なのかわからなくなる。図書館や美術の話も多く、ちょっと休みの日に美術館でも行ってみようかな、という気にさせる。アルフォンス・ミュシャエドゥアール・マネアンディ・ウォーホルとか、全然知らないもんなぁ。(マネは名前だけ。)